====== カストゥムの陰謀 ====== {{:カストゥムの陰謀.jpg?400|}} [[カストゥム]]の市場は活気に満ち、人々のざわめきと商人たちの声が混じり合っていた。[[サラ・ルカナム]]と[[レティシア・ノルヴィス]]は、情報収集のために街を歩いていた。最近の月の信者たちの動きや[[灰燼の連盟]]に関する情報が必要だった。 「サラ、聞いて。このあたりの噂話で、何か奇妙なことを言っている人たちがいるわ」レティシアが目を光らせて小声で話しかけた。 「何かしら?気になるわね」サラは立ち止まり、レティシアの視線を追った。そこで見たのは、怪しげな男たちがひそひそと話し合っている姿だった。 二人はその男たちを追い、人気の少ない路地に入った。すると、突然背後から足音が響き、鋭い声が飛んできた。「あんたたち、何をしている?」 振り返ると、武装した数人の男たちが二人を囲んでいた。その中の一人は、月の信者たちのシンボルを刻んだブローチを胸に光らせていた。 「これはただ事じゃないわね」レティシアは冷静な顔を保ちつつ、サラに目配せをした。サラは微かに頷き、二人は同時に防御の姿勢を取った。 「ここで話を聞かせてもらおうか」男の一人が嘲笑を浮かべながら近づいてきたが、その時、サラは素早く魔法の呪文を唱え、薄い結界を張った。男たちは驚きつつも即座に反応し、攻撃を試みた。 「行くわよ、レティシア!」サラが声を上げると、レティシアもまた持ち前の戦闘技術で反撃を開始した。二人は協力して敵の包囲網を切り崩し、激しい攻防が路地に響いた。 やがて、数人の男たちが倒れ、残りが怯んで後退した。「これで終わりじゃないぞ…」捨て台詞を残し、男たちは闇の中へと消えていった。 戦いの緊張が解けた瞬間、サラは息をつき、「何とか切り抜けたわね。だけど、私たちが何か大きな陰謀に巻き込まれていることは間違いない」 レティシアも頷き、「彼らは何かを隠しているわ。これからはもっと警戒が必要ね」 二人は再び市場へと戻りながら、これからの動きについて考えを巡らせた。カストゥムの街は、見えない陰謀と危険が渦巻く場所となっていた。