====== 灰燼の連盟の影 ====== {{:灰燼の連盟の影.jpg?400|}} 日が高く昇り、一行は[[カストゥム]]へと続く山道を進んでいた。空は澄んでいたが、森の中にはひんやりとした風が漂い、落ち着かない雰囲気が漂っていた。[[アレクサンドル・ロマリウス|アレクサンドル]]は先頭を歩き、視線を険しく森の奥へ向けた。 「何かがおかしい……この静けさは普通じゃない」アレクサンドルが小声で言うと、[[マリアナ・ロマリウス|マリアナ]]が彼の隣で鋭い目を光らせた。「灰燼の連盟かもしれないわ。注意が必要ね」 [[アレナ・フェリダ|アレナ]]がその言葉に反応して尋ねた。「どうしてそう思うの?」 マリアナは軽く息を吸い込みながら答えた。「灰燼の連盟は私たちのような集団を影から探ることがあるの。以前の旅路でも、情報収集の過程で彼らが隠密に動いていることを感じたわ。それに、カストゥム周辺では月の信者たちの活動が活発になっている。彼らもまた別の目的で動いているかもしれない」 [[リュドミラ・アラマティア|リュドミラ]]は後ろを振り返り、周囲の木々をじっと見つめた。そのとき、遠くの影が木の間を素早く移動するのを目にした。「アレクサンドル、影が動いたわ。あっちよ」 アレクサンドルは一同に目配せをし、立ち止まるよう合図した。「今は慎重に行動しよう。この先で待ち伏せされる可能性もある」 リュドミラは胸の奥で妹アリーナのことを思い、心の中で祈るように思った。「今は無事に進むことが最優先よ…」その心の声が、再び決意を固めさせた。 しばらくの間、緊張感の中で旅を続けた一行は、影が現れた場所を注意深く調査した。そこには、灰燼の連盟の紋章がかすかに刻まれた木の破片が落ちていた。アレクサンドルはそれを手に取り、静かに口を開いた。「これは奴らがここにいた証拠だ。警戒を怠らずに進もう」 マリアナは彼の隣で頷き、「彼らが私たちの動きを見ているなら、こちらもそれを逆手に取る必要があるわね」と冷静に言った。 アレナとリュドミラも緊張しながらも、次の行動を心に決めた。旅は危険と隣り合わせだが、彼らは共に進む覚悟を新たにし、カストゥムへの道を再び歩み始めた。