エリオットとエリーナは、エリディアムの外れにある古びた遺跡の前に立っていた。ここはアルカナの灯火との接触を試みるための第一歩となる場所だ。二人は互いに目を合わせてうなずき、慎重に周囲を見回した。
「この場所で本当にセラフィナ・カレヴァと接触できるのかな?」エリーナは不安そうに言った。遺跡の陰影が不気味に揺れているようで、気持ちをさらに重くする。
エリオットは腰の剣に手をやりながら答えた。「可能性はあるさ。でも、油断は禁物だ。アルカナの灯火は簡単に姿を見せるような相手じゃないからな」
二人は遺跡の周囲を探りながら進んでいく。エリオットは慎重に足元を確かめながらも、エリーナの表情から焦りが伝わってくるのを感じ取った。「エリーナ、大丈夫か?」と声をかけるが、彼女は答えずに足を速める。
「ただ、もっと早く進めないと……」エリーナは小さくつぶやいた。苛立ちが言葉の端に滲んでいるのを、エリオットは見逃さなかった。
エリオットは立ち止まり、エリーナの肩にそっと手を置いた。「焦る気持ちはわかるけど、ここは慎重に行こう。何かあってからじゃ遅いんだ」
エリーナは一瞬、彼の手を見つめてから頷いたが、その表情にはまだ不安が残っていた。「ごめん、私もわかってるんだけど……進展がないと、どんどん焦ってしまって」
エリオットは優しく微笑んだ。「大丈夫だ、必ず接触できるさ。俺たちなら乗り越えられる」
二人は再び歩き出し、遺跡の奥へと進んでいった。ここからが本当の挑戦だ。アルカナの灯火に接触する準備は整いつつあるが、二人の間にはまだどこか不安と期待が交錯していた。