カストゥムの門が開かれ、エリオット、エリーナ、カリスの三人が街に入ったとき、一行の歓迎が待ち受けていた。アレクサンドルとマリアナが微笑みながら彼らを迎え、アリーナが隣で控えていた。
「よく来たな、みんな。長旅お疲れ様」アレクサンドルが声をかけると、エリオットは笑顔で応じた。「やっと到着したよ。皆と再会できて嬉しい」
「ところで紹介しておくよ」アレクサンドルはアリーナに目を向けた。「こちらはリューダの妹、アリーナ・アラマティアだ。最近、カストゥムに来て仲間に加わったんだ」
エリオットはアリーナに向かって微笑み、「はじめまして、アリーナ。あなたのことはリューダから聞いていたよ」エリーナも優しく頷いた。
「皆さんに会えて嬉しいです。どうかよろしくお願いします」アリーナが控えめに頭を下げると、カリスも「頼もしい仲間が増えるのは心強いな」と笑顔で応じた。
エリオットたちはすぐにアレクサンドルとマリアナに視線を向け、「結婚おめでとう。幸せを願っている」と心からの祝福を贈った。
それを受けてアレクサンドルは冗談混じりに言った。「次は君たちの番だな、エリオット、エリーナ」エリーナは少し照れ笑いを浮かべ、エリオットも顔を赤らめた。
その様子を見ていたリュドミラが少し笑いながら、「私も結婚したいけど、まだ相手がいないままよね」と、前にも同じことを言ったことを思い出しつつ話した。
その言葉にカリスは一瞬真剣な目でリュドミラを見つめ、「それなら、俺で良かったらどうだ?」と意外にも真面目なトーンで答えた。
リュドミラは驚きつつも微笑み、「冗談でもそう言ってくれるのは嬉しいわ」と返したが、心の中でカリスの本心を感じ取っていた。カリスは肩をすくめ、「振られるのは早いな」と笑い、場が和やかな空気に包まれた。
その後、エリオットは真剣な表情に戻り、道中での出来事を報告した。「カストゥムに来る途中でアルカナの灯火と接触したんだ。彼らとは本格的な協力関係を築けそうだと感じたよ」
その報告に、一同の表情が引き締まった。アレナは頷きながら、「それは良い知らせね。これからの戦いに向けて、力を合わせられる仲間が増えるのは大きいわ」と述べた。
その瞬間、新たな絆と友情が再確認され、アリーナを含めた全員が新たな戦いに向けての決意を胸に抱いた。カストゥムの空は穏やかだったが、一行の心はこれから訪れる挑戦への備えで満たされていた。