セリーヌへの確認

その夜、クレスウェル邸とカストゥムの拠点で仲間たちは静かに集まり、セリーヌとの念話の準備が整えられた。アレクサンドルは緊張した面持ちで、深呼吸を一度してから口を開いた。「セリーヌ、聞こえているか?伝えなければならないことがある。あなたはただの戦士ではない、皇族の血を引いている可能性がある。月の信者たちを導く象徴として、あなたが皇帝に即位することを考えているんだ」

一瞬の沈黙が場を包んだ。念話越しに感じるセリーヌの驚きは、誰にとっても想像以上だった。しかし、その沈黙の中に彼女は答えを見つけていくように、心の奥で言葉を紡いだ。「それが真実なら、私にはその責務を果たす覚悟が必要なのね」

遠く離れたフィオルダス邸で、リディアはそのやり取りを聞きながら微笑んだ。「あなたならきっと、月の信者たちに希望と共に導きを与えられる」

セリーヌの胸の中に、不安と共に湧き上がる新たな決意が熱く広がった。「ありがとう、皆。もしそれが私の運命であるならば、私は全力を尽くして応えたい」