リディアの結婚式の華やかさが残るクレスウェル邸に、タリア・アヴェリスが訪れた。彼女は幼なじみのクレスウェル兄妹のことが気になり、リディアの新たな生活を祝うためにこの地に足を運んだ。しかし、彼女の心には不安があった。結婚式に呼ばれなかった理由を考え、何か問題が起きているのではないかと心配していた。
邸に入ると、タリアは美しい装飾や笑顔を交わす家族の姿に目を奪われたが、その裏に潜む緊張感も感じ取った。レオンが彼女の方に歩み寄り、微笑んだ。
「タリア、来てくれたんだね」とレオンが声をかけた。
「もちろん。リディアが結婚したって聞いて、祝いたくて。でも、どうして私を結婚式に呼ばなかったの?」とタリアは不満をぶつけた。
レオンは一瞬言葉を失った。タリアのその言葉には、彼女の心に抱える思いが詰まっていることが伝わってきた。彼は彼女の視線を受け止め、彼女の期待に応えられなかった自分を悔い、心の中でどう言葉を選べばよいか考えた。
「実は……」とレオンは言葉を選びながら続けた。「ごめん、タリア。君を招待しなかったこと、本当に申し訳なく思っている」
タリアはその言葉を聞いて少し驚いたが、彼女の中に募る不満は収まらなかった。「でも、どうして? 私は幼なじみなのに、何も知らされないなんて……」
レオンはタリアの言葉に心を痛めながら、彼女の視線を真摯に受け止めた。「君のことを考えて、できるだけ守ろうと思ったんだ。ただ、君には負担をかけたくなかった」
タリアはじっとレオンを見つめ、その真剣な表情から彼の思いを感じ取った。しかし、心のどこかでその言葉が本当なのか疑問を持っていた。「本当に私のことを考えていたの?」
「本当にそうなんだ。今、クレスウェル家はデリケートな状況にあって、君をゴタゴタに巻き込む可能性があると思ったからなんだ」レオンは決心して話し始めた。
タリアは一瞬、言葉を失った。レオンの言葉には重みがあり、彼がどれだけ悩んでいたかが伝わってきた。「それでも、私は心配していたのに……」
レオンは深く息を吸い込み、心の中の葛藤を乗り越えようとした。「ごめん、タリア。私が君を頼りにすることができなかったのは、本当に申し訳ないと思っている」
タリアはしばらく黙って考え込み、彼の謝罪を受け入れながらも心の中の怒りが冷めなかった。「私は幼なじみとして、困ったときは助け合いたいと思っているんだ」
その瞬間、タリアの気持ちが一つにまとまった。レオンの誠実な謝罪を受けながら、彼女は「でも、これからは一緒に冒険したい。困難な状況でも、仲間がいるって大事だものね」と決意を述べた。
こうしてタリアは、クレスウェル家のデリケートな状況に踏み込む決意を固めた。幼なじみの絆を再確認しながら、彼女はクレスウェル邸を後にし、これからの冒険に向けて新たな希望を抱いて歩き出すのであった。