リディアからの手紙

エリーナは家の窓際で、小さな手紙の包みをじっと見つめていた。淡い色の封筒に、リディアの名前が手書きで書かれている。それが姉からの手紙であることは、ひと目で分かった。胸が高鳴り、そっと封を開けると、力強いけれどもどこか柔らかい筆跡が現れた。

手紙の一文一文を目で追いながら、エリーナの心はまるでリディアが目の前にいるかのように感じられた。リディアの文章には、遠く離れたカストゥムでの修練の日々や、仲間との新たな出会いが活き活きと描かれていた。その中でも、何度も「剣の道を究めたい」という言葉が登場し、リディアが本当に剣士としての道を歩んでいることを感じた。

「やっぱり……お姉様は、自分の進むべき道を見つけているのね……」

エリーナはつぶやきながら、誇らしさと少しの寂しさが胸に広がるのを感じた。彼女は小さい頃からリディアに憧れ、追いかけてきた。しかし、姉のその生き生きとした文面からは、彼女がエリーナからは遠く、別の世界へ行ってしまったかのように感じられた。

手紙の最後の部分で、リディアがエリーナへの思いやりを滲ませるように言葉を添えていた。「エリーナ、君も剣術の訓練を続けているかい?少しの間でも、私がいなくても強くあってほしいと願っているよ」

「お姉様……」エリーナは微笑み、手紙をそっと胸に抱きしめた。自分もまた、何かを見つけるために進まなければならないのだと、ほんの少しだけ理解したような気がした。