目次

リディアの行方不明とエリーナ加入の経緯

リディアの行方不明:

リディア・クレスウェルが行方不明になったのは、彼女が極秘任務に従事していた時のことだった。その任務は、アウレリアの情報組織「セクレトゥス・アルカナ(Secretus Arcana)」の指導者、セラフィナ・カレヴァによって直接与えられたもので、古代遺物の回収という極めて危険かつ重要な内容だった。リディアは、この任務に対して非常に慎重に取り組んでおり、アレクサンドルや「黎明の翼」の他の仲間には、その内容を一切伝えないままエリディアムの山岳地帯へと向かった。

任務の詳細は、セラフィナから極秘で伝えられており、リディア自身もその重要性を理解していた。セラフィナは冷静で感情を表に出さない人物だが、リディアの剣技と判断力を高く評価していたため、この重要な任務を彼女に託したのだった。しかし、遺跡に向かってから数日後、リディアは消息を絶った。彼女が向かった先は、古代の封印が施された危険な場所であり、強力な魔力の痕跡が残る遺跡だったことが、のちに判明する。

リディアが任務中に行方不明になったと知ったアレクサンドルは、すぐに捜索を開始した。エリオットカリスと共にエリディアムの山岳地帯を隈なく探したが、リディアの行方を示す明確な手がかりは見つからなかった。彼らは古代の魔法や封印が関与している可能性を考慮し、魔術的な痕跡も調査したが、遺跡に入った形跡すら消え去っていた。

この時、セラフィナは表立っては動かなかったが、リディアの失踪には責任を感じていた。彼女は自身の組織「セクレトゥス・アルカナ」の力を密かに使ってリディアの捜索を支援していたが、その事実を「黎明の翼」に知らせることはなく、表向きには沈黙を守った。セラフィナにとって、リディアの消失は自分の判断ミスとして強く心に残っていたものの、組織の機密保持を最優先とし、直接的な行動を控えるしかなかった。

エリーナの加入:

一方、リディアの失踪を知った彼女の妹、エリーナ・クレスウェルも深い衝撃を受けた。リディアを尊敬し、その背中を追い続けていたエリーナにとって、姉の突然の失踪は心に大きな傷を残す出来事だった。家族の没落と陰謀の影響も重なり、エリーナは自身の無力感と戦いながら、強くなることを決意する。

そんな中、エリーナは自らアレクサンドルたち「黎明の翼」に接触し、姉リディアの代わりに自分を仲間に加えてほしいと懇願した。まだ若く経験の浅いエリーナの提案に、当初アレクサンドルやカリスは困惑し、彼女の未熟さを心配した。しかし、彼女の強い意志と姉に対する想いが彼らの心を動かし、彼女を訓練しながら共に冒険することを決意する。

特に、エリーナはカリスに教えを請い、剣術の基礎を学びながら成長していった。また、エリオットは彼女に魔法や戦術の基礎知識を教え、次第に「黎明の翼」の一員として認められるようになった。アレクサンドルもまた、リディアの面影をエリーナに感じつつも、彼女が自身の力で道を切り開く姿に期待を寄せるようになる。

エリーナが正式に「黎明の翼」に加わったのは、彼らがある任務を成功裏に終えた後だった。エリーナはその任務で自らの剣技を発揮し、仲間たちを救う活躍を見せた。これにより、彼女は姉の代わりではなく、一人前の戦士として「黎明の翼」に受け入れられたのだった。