イザベラの結婚式を終えた翌日、セシルとエミリアは行動を開始し、ルーン・オーブに関する手がかりを探るためレティシア・ノルヴィスを訪ねた。リディアの救出の裏に、この謎のオーブが関係していると感じた彼らは、レティシアに協力を求めた。
「レティシア、私たちはリディアの件で知ったルーン・オーブについて、もっと知りたいの。オーブがどのような力を持ち、どこから来たのか……何か情報があれば教えてほしいわ」とエミリアが切り出すと、レティシアは少し考え込むように目を伏せた。
「ルーン・オーブについて私も調べているけれど、まだ多くが不明なの。このオーブには古代の魔力が秘められているとは思うけれど、それ以上の情報はつかめていないのよ」とレティシアが慎重に答えた。
その後、レティシアは一度言葉を区切り、少し考え込むように続けた。「ただ、私が知っている限り、エリディアムでクレスウェル家が没落した裏には、月の信者という謎の組織が絡んでいるかもしれないの。オーブ自体と彼らに直接的な関係があるかどうかはわからないけれど、関連性がある可能性は十分に考えられるわ」
セシルは驚きと興味を持ってレティシアの話に耳を傾けた。「月の信者……そんな組織が影で動いているなんて。もし彼らがルーン・オーブにも興味を持っているとすれば、僕たちも放っておくわけにはいかないね」
エミリアも頷き、「関係が確かではなくても、月の信者の動向を把握しておく必要があるわね。彼らがオーブに何かしらの関心を持っているとしたら、早めに対策を考えたほうが良さそう」
この日の面会で直接の手がかりを得ることはできなかったものの、月の信者がオーブに関わっているかもしれないという新たな可能性を見出し、二人はその調査を続ける決意を新たにした。エミリアは、まだつながりの見えないピースが揃うのを待つように静かに語った。
「直接の関係がわからなくても、僕たちで少しずつ情報を集め、必要な手がかりを探していこう。オーブがもたらす力が危険なものであるなら、僕たちでしっかりその行方を追うべきだ」
エミリアもまた決意を新たにし、セシルの提案に頷いた。「ええ、こうして分からないことを一つ一つ解き明かしていくことで、リディアやこの地を守るための道が見えてくるはずよ」
こうしてセシルとエミリアはレティシアから得た限られた情報をもとに、さらなる調査と対策に向けて歩み出したのだった。