ロマリウス家への出発

朝の光がカストゥムを優しく包む中、アレクサンドルマリアナリュドミラアレナは馬車の準備を整えていた。その様子を見て、レティシア・ノルヴィスサラ・ルカナムが歩み寄ってきた。レティシアは少し冗談交じりに言った。「私も結婚式に出たかったわね」と笑みを浮かべる。

その言葉にアレクサンドルは一瞬、困ったような表情を浮かべ、「それは……ごめん、レティシア」と少し気まずそうに目を逸らした。

その様子を見ていたリュドミラは、口元に手を当てて軽く笑い、「ほら、アレック、ちゃんと謝りなさいよ」とからかうように言った。マリアナもその場の雰囲気に思わず微笑んだ。

サラはそんなやり取りに安心したように、「皆が笑顔で送り出せるなら、それだけで十分よ」と穏やかに言い、アレナも「私たちは無事に結婚式を終えたらまた戻ってくるわ」と約束するように言った。

見送りの中、アレクサンドルはもう一度、レティシアに感謝の言葉を伝え、リュドミラの笑みと共に馬車はゆっくりと動き出した。彼らは新たな旅路に期待と不安を抱えながら、カストゥムを後にした。