エリディアムの作戦会議室に静かな緊張感が漂っていた。レオンは中央のテーブルに広げられた地図を指さし、慎重に説明を始めた。「今回の作戦は、信者たちの中で影響力を持つ者を見極め、内部で分断を起こすことが目的だ。純粋に月を信仰している者たちには手を差し伸べ、危険な信者たちは動きを封じる」
リュドミラが軽くうなずき、鋭い茶色の瞳を光らせた。「私がサイコメトリーで信者の本心を確認します。真実を見極めることで、誰が純粋な信仰者で誰が野心に駆られた者なのかを判断できるわ」
その横でエリオットが落ち着いた声で言葉を挟んだ。「情報網を使って噂を流し、心理操作を行う段取りも整えています。だが、信者たちの反応が速ければリスクも高まる。アリーナ、君の念話でリアルタイムの情報共有を頼む」
アリーナは緊張した面持ちを見せながらも、決意をこめた声で答えた。「はい。皆が無事でいられるよう、全力を尽くします」
レオンは地図を指しながら続けた。「リュドミラとアリーナは、エリディアムへ移動し作戦を実行する。エリオットとエリーナが護衛として同行し、二人を守る役割を果たす」
リディアは穏やかな笑みを浮かべ、腹部に手を当てながら言葉を続けた。「純粋に月を信仰している人たちは、きっと守るべき仲間。そう考えることで、必要以上の争いを避けることができるはずよ」
アレクサンドルはリディアの言葉に深くうなずき、そのまなざしに誇りと責任が宿った。「その通りだ。リディアの提案を中心に据え、作戦を慎重に進める」
リュドミラは冷静な表情を保ちながらも、微かに緊張が混じった声で応じた。「私たちの役割は重要です。誰が本当に信仰を持ち、誰が野心に駆られているかを見極めることができれば、大きな成果に繋がるでしょう」
エリオットが視線をアレクサンドルに戻し、最終確認を求める。「この作戦の成功が、信者たちの分断と内部分裂を引き起こす鍵になる。アレクサンドル、あなたの指示を待っています」
アレクサンドルは深く息を吸い込み、全員を見渡して静かに語った。「これが、私たちの未来を決める一歩だ。全員で、この戦いを乗り越えよう」
全員が決意を新たにし、エリディアムでの新たな作戦が動き出そうとしていた。