妨害の嵐を越えて: 仲間たちの決意

夜空には雲が広がり、月の光がほとんど届かない暗闇が拠点を包み込んでいた。セリーヌ擁立に向けた計画が着実に進む中、この拠点は計画の中核を支える物資と情報の集積地となっていた。その重要性を知る敵勢力は、拠点を標的にして行動を開始していた。

アレクサンドル・ロマリウスは、広げられた地図を前に部下たちと作戦を練っていた。彼の視線は鋭く、指先で地図上の重要地点を指し示す。「敵の目的は二つだ。物資の供給を断つこと、そして混乱を引き起こすことだ」

その横ではリュドミラが透視能力を駆使して、敵の動きを追っていた。「南と西の二方向から動きがあるわ。敵は分散して動いているけど、中心を叩けば隊列を崩せる」

その報告を聞いたアレクサンドルは短く頷いた。「よし、兵を分けて対処する。レオニード、君は南の防衛を指揮してくれ。私は西を守る」


深夜、敵が動き出した。矢の雨が飛び交い、混乱を引き起こそうとする敵の第一波が襲いかかる。しかし、アレクサンドルは冷静に陣を整え、前線を守り抜いた。「弓兵隊は左右に展開し、中央を固めろ!後衛は防御線を構築しつつ前進を阻止するんだ!」

一方、南ではレオニードが指揮を執り、敵の本隊と正面から向き合っていた。火矢が放たれ、物資を燃やそうとする敵の動きを察知した彼は即座に指示を出す。「水と砂を用意しろ!物資は絶対に守る!」

兵士たちは迅速に動き、レオニードの指揮のもと敵の火計を封じた。


その頃、リュドミラは透視を続けていた。彼女の視線は鏡を通じて敵の司令官を追っていた。「敵の指揮官が後衛にいる。そこを叩けば、動きが崩れるわ」

その情報は伝令を通じてアレクサンドルとレオニードに届けられた。アレクサンドルはすぐに動き出し、後衛への奇襲を指示した。「指揮官を狙え!混乱を誘発するチャンスだ」

レオニードも少数精鋭の部隊を率いて敵の中枢を狙い撃ち、敵の士気を一気に削いだ。


戦闘は夜明け前に終結した。敵は撤退を余儀なくされ、拠点も物資も無傷のまま守られた。戦いの後、アレクサンドルは地図を片付けながら深く息をついた。「無事に守り切れたのは皆のおかげだ」

リュドミラが隣に立ち、静かに言った。「彼らの次の動きが来るのは時間の問題ね。でも、今回で十分に示せた。私たちは簡単には倒れない」

「その通りだ」アレクサンドルは力強く頷いた。「未来のために、この戦いを乗り越えていこう」

その言葉に、仲間たちは一層の決意を胸に次なる行動に向けて動き出した。