結婚式の誓いの言葉が響き渡る中、クレスウェル邸は華やかな祝宴に包まれていた。エリディアムの名家たちが集まり、レオンとカトリーヌの新たな門出を祝福している。しかし、その一方で、背後に漂う不穏な気配を誰もが感じ取っていた。月の信者たちの襲撃は想定内のことだったのだ。
警備の兵士たちが駆け込み、「敵が動き出した!」という一言が会場を震わせる。カトリーヌの目に一瞬の恐れが浮かぶが、レオンは毅然と彼女を守るように立ちはだかる。「カトリーヌ、ここは安全な場所へ。私は必ず守り抜く」
「レオン……」カトリーヌは深い信頼の眼差しをレオンに送り、小さく頷く。その決意の眼差しは、彼女がレオンの愛を信じていることを物語っていた。
一方、リディアは事前に用意していた剣をしっかりと握りしめ、仲間たちに視線を送った。「準備は整っているわね、エリーナ」エリーナは短く頷き、戦う覚悟を決めた表情を見せる。
「月の信者たちが影の中から出てくるのは時間の問題だ」とカリスがつぶやき、鋭い目つきで周囲を警戒する。「エリオット、左右からの動きを見張ってくれ」
「了解した、カリス」エリオットは冷静な声で応じ、剣を抜いて敵を迎え撃つ体勢に入る。その姿は、心の中に揺るぎない決意を秘めていた。
やがて、黒衣の侵入者たちが暗がりから姿を現し、戦闘が始まる。リディアはまっすぐに敵に向かい、「ここを通すわけにはいかないわ!」と叫んで剣を振り下ろした。その姿はまるで炎のように強く、周囲の者たちに勇気を与えた。
エリーナも敵の動きを俊敏に読み取り、冷静に立ち回って防御と反撃を繰り返した。戦場の喧騒の中、リディアとエリーナが互いに背中を預けて戦う姿は、彼女たちがこの場を守るためにどれほどの覚悟を持っているかを物語っていた。
レオンはカトリーヌを背後に隠しつつ、周囲の安全を確認する。「この場を守り抜かなければならない」と心の中で誓いを新たにする。その強い意志が彼の姿勢に現れ、カトリーヌは彼に信頼の眼差しを送り続けた。
月の信者たちが次第に押し返され、戦闘は少しずつ鎮静化していった。リディアは息を切らしながらも、誇らしげに立っていた。「皆、無事ね」と自分に言い聞かせるように呟き、視線をレオンへと移した。
レオンはその視線を受けて頷き、会場全体に眼を配りながら誓った。「家族も仲間も、これからも守り続ける」。戦いの余韻が残る中、彼らは新たな結束を胸に秘めていた。