セシル・マーベリックとエミリア・フォルティスの結婚式は、カストゥムの静かな礼拝堂で執り行われた。招待客は黎明の翼の仲間たちと、カストゥムに滞在中のレオン、リュドミラ、アレナたちに限られていたが、その分、親しい者たちに囲まれて温かい雰囲気に包まれていた。
礼拝堂の中には陽光が差し込み、柔らかな光が二人を祝福しているかのようだった。セシルは普段の地形測量士としての装いとは異なり、シンプルながらも品のある礼服に身を包んでいた。エミリアもまた、青い瞳に映える白いドレスを纏い、美しく輝いていた。
式が始まると、参列者たちは微笑みながら二人の誓いを見守った。誓いの言葉が交わされるたびに、誰もが感動を覚え、幸せな涙を流す者もいた。儀式が終わると、セシルとエミリアはみんなの前で新たな一歩を踏み出した。
その後、庭に集まった参列者たちはささやかな祝宴を開き、祝福の言葉が飛び交った。リュドミラは感極まった表情で「二人とも、本当におめでとう」と笑顔を見せ、レオンは照れたように拍手を送った。アレナも「幸せを祈っているわ」と柔らかな声で祝福を述べた。
祝いの最中、話題は自然と次に結婚するカップルへと移った。誰かが「次はアレクサンドルとマリアナだね!」と冗談めかして言うと、周囲から祝福とからかいが混じった笑い声があがった。
アレクサンドルは、周囲の視線が集まると少し照れた様子で肩をすくめ、「いや、リディアに先を越されるかもしれないな」と冗談交じりに言い、照れ隠しをした。その言葉に、皆が笑い声をあげ、場がさらに温かい雰囲気に包まれた。
マリアナはそんなアレクサンドルを見て微笑み、彼の手をそっと握り返した。二人の未来にも、これから幸せが続いていくことを誰もが願っていた。
祝福と笑いに満ちた一日が、セシルとエミリア、そしてこれから続く仲間たちの物語をさらに輝かせる一歩となった。