エリディアムへの出発の日が近づく中、アレクサンドルたちは緊張感を募らせていた。リディアの結婚式に全員でエリディアムへ向かうことで、カストゥムを無防備にすることへの不安が全員の胸に広がっていた。アレクサンドルは深いため息をつき、「カストゥムを誰も守らずに離れるなんて、心配で仕方ない」とレオンに向かって言った。
レオンも頷きながら、「確かに、何かあったときに守れる者がいないというのは不安だ」と応じると、そこにエリーナが思いついたように顔を上げた。「サラお姉さんに頼んでみてはどうかしら? 彼女なら街をよく知っているし、きっと協力してくれるはずよ」
エリオットはその提案に賛成し、「サラなら信頼できるし、彼女に頼んでおけば安心だね」と微笑みながらエリーナを見た。その言葉に勇気づけられた一同は、エリオットとエリーナがサラのもとへ向かい、留守の間のサポートを頼むことに決めた。
一方で、リュドミラも自分にできることを考え、レティシアに会いに行った。「レティシア、私たちがエリディアムに行っている間、あなたにもカストゥムを見守ってほしいの。お願いできる?」と真剣な表情で頼むと、レティシアは一瞬驚いたが、すぐに穏やかに微笑んだ。「もちろん、力を尽くすわ。任せてちょうだい」
こうして、カストゥムを守るための体制を整える準備が進んだ。エリオットとエリーナがサラを訪ね、リュドミラがレティシアを説得する間に、サラとレティシアは初めて顔を合わせることになった。少し緊張した空気が流れる中、二人は互いに目を合わせて微笑みを交わした。
サラは穏やかに言葉を紡いだ。「一緒にカストゥムを守りましょう。アレクサンドルたちが戻るまで、私たちでしっかり支えていくのよ」レティシアは頷きながら、「ええ、全力で力を合わせるわ」と力強く応じた。
その場に立ち会っていたアレナは、「私も毎日、念話で定時連絡をするわ。何かあったらすぐに知らせてね」と提案し、サラとレティシアに確認する。サラは心から感謝を伝え、「ありがとう。アレナがいてくれるなら本当に心強いわ」と言い、レティシアも「これで本当に安心して出発できるわね」と言って、皆が協力し合う体制が整ったことを実感した。
こうして、アレクサンドルとマリアナを含む一行は、エリディアムに向けて旅立つ準備を整え、カストゥムの守りを信頼する仲間たちに託すことができた。少しの不安は残るものの、再会の時までそれぞれがやるべきことを胸に抱き、未来に向かって歩みを進めていった。