エリディアムへと向かう旅の途上、リュドミラ、アリーナ、エリオット、エリーナの4人は、荒れた山道に差し掛かり進行が難しいと判断し、その夜は野宿することにした。星が瞬く静寂の中、彼らは焚き火を囲み、温かな光に照らされて夜の食事を終える。夜の冷たい空気が辺りを包む中、彼らはそれぞれの思いを胸に焚き火を見つめていた。
しばらくして、アリーナはふと目を開けると、少し離れたところでエリオットとエリーナが寄り添い、静かに抱き合っているのが目に入った。二人の間には深い信頼と愛情が流れているようで、その様子はまるで夜空の星と同じくらい輝いて見えた。アリーナは一瞬、目をそらすべきか迷い、頬が少し赤らむのを感じた。
「何も見なかったことにしてあげなさい」と、背後からリュドミラが静かにささやいた。リュドミラは、アリーナの肩にそっと手を置き、妹に対する温かな眼差しを向けている。二人は幼少期から多くの苦楽を共にし、強い絆で結ばれていた。そんな姉の言葉に、アリーナは安心し、微笑みを浮かべて小さく頷いた。
「エリオットとエリーナって、素敵だね」とアリーナが小さな声で言うと、リュドミラは軽く頷き、「そうね。お互いを支え合っている……それって素晴らしいことよ」と応えた。その口調にはどこか羨ましさと、少しの憧れが混じっていた。
アリーナは少し顔を伏せながら、「いつか、私にも……」と、はにかむように言葉を漏らすと、リュドミラは微笑みを浮かべ、「私だってそうよ」と返した。姉妹はしばらく無言で焚き火を見つめ、未来への小さな希望を感じていた。
その夜、焚き火の明かりが消えゆく中、彼らはそれぞれの心に大切なものを抱きながら、静かに夜の闇に溶け込むように眠りについた。