次の一手

エリディアムの夜は静寂に包まれ、街の明かりが遠くに揺れて見えていた。セシル・マーベリックエミリア・マーベリックは、滞在している宿の一室でアルカナの灯火から得たルーン・オーブの情報を整理していた。机の上には古びた地図と手書きのメモが広がり、ランプの温かな光がそれらを照らしていた。

「このルーン・オーブが月の信者たちの手に渡れば、ただでは済まないわ」エミリアが真剣な顔で言った。彼女の目には焦燥と決意が入り混じっていた。

セシルは腕を組み、地図をじっと見つめていた。「そうだな。彼らがオーブを手に入れれば、この地は混乱に陥る。私たちにはそれを防ぐ責任がある」

しばしの沈黙の後、エミリアは目を細めて地図上のある地点を指さした。「ここよ。かつての魔法使いの隠れ家があると言われる場所。そこにはオーブを封じるための古代の術式が記されているかもしれない」

セシルはその地点を見て頷いた。「だが、その場所は容易にアクセスできるわけではない。月の信者たちが同じ情報を持っている可能性も高い。準備が必要だ」

エミリアは机の上の巻物を手に取り、その表面を軽く撫でた。「アルカナの灯火は、私たちが行動を起こすときに力を貸してくれると言っていたわ。でも、まずは私たち自身が計画を立てないと」

セシルはエミリアの手に触れ、優しい笑みを浮かべた。「そうだな。僕たちがリーダーシップをとって動くべきだ。この先の戦いは簡単ではないが、共に進もう」

エミリアも微笑み返し、二人の絆がさらに深まったのを感じた。「一緒なら、きっと乗り越えられるわ。まずは情報収集と仲間への連絡が優先ね」

セシルはその言葉に同意し、地図を再度確認した。「出発は明朝だ。それまでにできる限り準備を整えよう」

宿のランプがゆらめき、二人の決意を照らしていた。夜の静寂の中、セシルとエミリアは新たな覚悟を胸に秘め、行動を起こす準備を進めていった。