レオンは結婚式が近づくにつれ、期待と責任感が複雑に絡み合う心情に揺れていた。家族を守り、クレスウェル家を再興する決意を固めた今、自分の選択がどれほどの重みを持つのかを改めて感じていた。
エリディアムのクレスウェル邸の中庭で、レオンはカリスと話していた。カリスは旅先の話を交えつつ、さりげなくレオンの気持ちを探っていた。
「なあ、レオン。お前、結婚に対して本気で準備できてるのか?」とカリスが冗談交じりに尋ねた。
レオンは少し黙ってから、苦笑を浮かべた。「正直、わからない。家族や家のために正しいことを選んだとは思ってるけど、時々不安になるんだ……本当にこれが最善なのかって」
カリスは穏やかに頷き、友人として寄り添うように言った。「責任ってのは重いものだ。けど、お前には信じられる仲間や家族がいる。俺たちも手伝うから、どんな時も一人じゃないさ」
レオンはカリスの言葉に少し安心した様子で、「ありがとう、カリス」と感謝の言葉をつぶやいた。
その夜、レオンはエリーナとも話をした。彼女は微笑みながら、兄を見つめていた。
「お兄様、ずっと私たちのために頑張ってくれてありがとう。これからも私たちは一緒に戦っていくわ」とエリーナが優しく励ますと、レオンは心がほぐれるように感じた。「ありがとう、エリーナ。お前たちが支えてくれるからこそ、こうして前に進むことができる」
一方、ガイウスとアンナは式の段取りについて話し合っていた。招待客のリストを確認し、式当日に必要な手配や準備の分担を決めるなど、着実に計画を進めていた。アンナが真剣な表情でリストをチェックし、ガイウスがうなずきながらその様子を見守っていた。
「あなたが幸せな家庭を築くこと、それが私たちの何よりの願いよ」とアンナが微笑むと、レオンはその言葉に勇気づけられた。クレスウェル家は、家族の絆と未来への希望に支えられながら、新しい旅立ちを迎えようとしていた。