エリオットとエリーナは、話し合った内容を実行に移すべく、カストゥムの街を巡回し始めた。サラの協力を得たことで新たな希望が見えたものの、準備活動に手を抜くわけにはいかない。情報ネットワークを構築し、街の安全を確保するため、具体的な行動が求められていた。
街の広場には露店が立ち並び、住民たちはいつもと変わらぬ日常を楽しんでいるように見えたが、エリオットは警戒を怠らず、街の各所に目を配った。彼はカリスとともに、巡回中の見張り隊員たちに声をかけて回り、不審な動きに注意するよう指示を出した。カリスは特に防衛手段にこだわり、武器や装備を再確認し、不測の事態に備えていた。
エリーナはリュドミラと合流し、アレナの依頼を受けて協力者を募るために住民たちと接触した。リュドミラは透視能力を駆使して、人々の本心を見極め、情報を共有する人物としてふさわしいかを見分ける手助けをしていた。彼女の慎重な観察眼が、エリーナにとって心強い支えとなっていた。
街の巡回を終えると、エリオット、エリーナ、リュドミラ、カリスの4人は再び集まり、進捗を報告し合った。エリーナは、街の平和を守るために自分たちができることを精一杯尽くすと誓ったが、その心の奥にはリディアのことや、エリオットへの想いが絡み合い、複雑な気持ちが渦巻いていた。
エリオットは仲間たちの献身を感じながらも、未知の脅威に対する一抹の不安を抱えていた。それでも、自分たちの絆と決意を信じ、カストゥムの未来を守るために動き続けることを心に決めていた。