リディアとマルコム・フィオルダスの結婚式は、エリディアムの貴族たちが見守る中、盛大に行われた。式が終わると、二人が抱負を語る場が設けられ、華やかな祝賀の席で、フィオルダス邸の一角は厳粛な空気に包まれた。
マルコムは先に立ち上がり、落ち着いた声で語り始めた。「私たちフィオルダス家は、これからも変わらずエリディアムの発展と繁栄のために尽力してまいります。クレスウェル家との結びつきを大切にしながら、共に新しい未来を築きたいと思います」彼の言葉に誠意がこもっており、出席者たちは暖かい拍手を送った。
続いて、リディアが前に進み出た。茶色の瞳に決意の光を宿し、強く堂々とした口調で語る。「私は、黎明の翼の一員としての覚悟を、これからも変えるつもりはありません。結婚し、やがて家庭を築いても、必要とあらば剣を取り立ち上がります。このエリディアムを守るために」
その言葉に会場は一瞬静まり返ったが、すぐに感嘆と敬意が広がった。アレクサンドルは苦笑しながらも、リディアの言葉の重みを感じていた。「なにも結婚式の場でそんなことを言わなくてもいいのに……」と心の中で呟いたが、リディアの変わらない強さに深く感謝した。
リディアは、そんなアレクサンドルに向かって微笑みながら言った。「あなたも同じよ、アレクサンドル。私たちは共に戦い続ける仲間だから」その言葉にアレクサンドルは一瞬驚き、そして心が温かくなるのを感じた。彼は、彼女の決意に応えるべく、これからの戦いに臨む覚悟を改めて固めたのだった。
リディアの言葉は、多くの人に安心と勇気を与え、その場にいた仲間たちは、これからの未来に向けて新たな絆を確かめ合うのだった。