アルカナの灯火との再会と協力の誓い
エリディアムを後にして数日が経ち、エリオット・ルカナム、エリーナ・クレスウェル、カリス・グレイフォークの3人はカストゥムへと向かっていた。木々の影が長く伸びる中、昼下がりの静寂を破るように、小川のほとりに数人の人影が見えた。
「気をつけろ。あれはただの旅人ではないかもしれない」カリスが慎重に声を落として言った。
エリオットは冷静に頷き、魔法を使う準備をしながら慎重に近づいた。しかし、人影の一人が見覚えのある紋章を胸に掲げているのを見つけた途端、緊張は一気に和らいだ。「アルカナの灯火の者たちだ」
その中で目を引く一人、セラ・カーヴァスが歩み出た。彼女は29歳にしてアルカナの灯火の中で重要な役割を果たしている。「久しいな、エリオット。私たちも情報交換をするためにここに来ている」
エリーナはセラの姿を見て目を輝かせた。「アルカナの灯火の協力が再び必要です。月の信者たちの動きが活発化していると聞いています」
その言葉に、セラの表情が引き締まった。「その通りだ。私たちは彼らの目的を探っているが、得た情報は容易には手放せない。しかし、あなた方黎明の翼との協力は不可欠だと考えている」彼女の声には決意が込められていた。
カリスは静かに辺りを見回しながら、仲間たちに呼びかけた。「時間は貴重だ。ここで立ち止まって話を続けるべきか?」
エリオットが頷き、エリーナを見つめた。「ここで得る情報が今後の活動にどう影響するかは君も理解しているはずだ。エリーナ、君の視点を聞かせてくれ」
エリーナは少しの戸惑いを見せながらも、自らの思いを口にした。「私たちがここで得る情報が、カストゥムでの動きだけでなく、もっと大きな計画に繋がるのなら、協力は惜しまないわ。今は信頼を築くことが大事だと思う」
セラは微笑みを浮かべ、再び頷いた。「では、詳細はここで共有しましょう。共に戦うために」
その場での情報共有が始まり、エリーナはその会話の中で自分が果たすべき役割を少しずつ理解していった。エリオットやカリスの支えを感じつつ、彼女は自分がただ守られる存在ではなく、協力者として共に戦う意識を持ち始めていた。