協力の成立と新たな絆
エリオットとエリーナは、アルカナの灯火の指導者、セラフィナ・カレヴァとの会談を終え、これまでの不安と緊張が少しずつ解けていくのを感じていた。セラフィナは彼らに、アルカナの灯火が持つ知識と力を提供する代わりに、エリディアムに迫る危機に立ち向かう際には協力することを求めていた。エリオットとエリーナはその条件を受け入れ、協力関係が正式に成立した。
セラフィナが去ったあと、エリオットとエリーナは少し離れた木陰に腰を下ろした。互いに見つめ合い、先ほどの会談で感じた重圧や責任がまだ心に残っていた。エリーナがふと口を開く。
「これで本当に大丈夫なのかな……セラフィナは私たちに力を貸してくれるって言ったけど、どこまで信じていいのか分からないわ」
エリオットは彼女の不安げな瞳を見つめ、深く息をついた。「確かに危険はある。でも、僕たちはここまで来たんだ。セラフィナも利害が一致する限りは協力するはずだよ」
エリーナは彼の言葉に少し安堵し、笑顔を浮かべた。「あなたがそう言うなら、信じてみる。でも……今回の試練で、私はあなたに支えられてばかりだった」
エリオットは思わず微笑んだ。「支えるのはお互い様だよ。それに、君の強さは僕が一番よく知っている。これからも一緒に乗り越えていこう」
そのとき、エリーナは改めて自分の心に芽生えた絆の強さを実感した。彼女はエリオットの手を取り、真剣な眼差しで言った。「どんな困難があっても、私はあなたと共に戦う。決して後悔しないように」
エリオットはその手を優しく握り返し、「僕も同じだ。これからも共に進んでいこう」と答えた。二人はその瞬間、新たな絆を確かに感じ、未来に向けての決意を再確認した。
空には夕陽が差し込み、二人の決意を祝福するかのように輝いていた。それは、長く険しい旅路の中で生まれた、かけがえのない協力と信頼の証だった。