家族の結束と新たな防衛策
クレスウェル邸の大広間に集まった家族たちとマルコム・フィオルダスの姿は、まさに結束を象徴するものだった。レオンはテーブルの上に広げられた地図を見つめ、家族全員に視線を送った。彼の眼差しには、兄としての責任感と家族を守るための強い決意が込められていた。
リディアは、マルコムと共にクレスウェル邸を訪れた理由を改めて口にした。「今回、私たちはフィオルダス家としてもクレスウェル家の計画に協力し、両家の結束をより強固なものにするために来ました」
ガイウス・クレスウェルは、娘と婿が並んで立つ姿を目にし、安堵の表情を浮かべた。「君たちの意志があることは心強い。これで我が家も新たな一歩を踏み出せるだろう」その言葉には長年家を支えてきた者の重みと、未来への希望が含まれていた。
レオンは父の言葉に頷き、テーブルを指し示して話を始めた。「まず、我々の防衛策を再確認する。ヴァルカス・ヘルビウスへの分断工作が成れば、敵勢力の足並みを乱すことができる。ミカエルが接触し、彼を帰参させる道を探っているところだ」
アンナは慎重な表情を浮かべつつも、レオンの言葉を肯定するように微笑んだ。「ヴァルカスが戻れば、我が家の防衛はさらに強化されるわ。彼に戻ってきてもらうことで、家族が安心できるのなら、それに越したことはない」
マルコムはリディアに視線を向け、深く息をついた。「私もクレスウェル家と共に戦う覚悟だ。ただし、家族を危険に巻き込むことは避けたい。それでも、守るべきものがある以上、戦わなければならないのは分かっている」
リディアはマルコムの手を握り、彼の気持ちに応えるように微笑んだ。「あなたがいてくれることが、私たち全員にとって力になるわ」
その場に集まった全員が目を合わせ、静かな決意の中に希望が芽生えた。互いに守り合い、支え合うことで、クレスウェル家の未来は新たな一歩を踏み出そうとしていた。防衛策の具体化と家族全体の結束は、この日をきっかけにより深まっていくことを予感させた。