念話の提案と結婚式の申し出
カストゥムの部屋で、アレナは念話の準備を整え、ついにマリアナの父念話の提案と結婚式の申し出との念話を試みた。彼女の表情には緊張が浮かんでいたが、集中して精神を研ぎ澄まし、フォルティス平原のアルヴォラ郊外にいるアルベリクの存在に意識を向けた。
数瞬後、念話が繋がった感覚が広がり、アルベリクの威厳ある声がアレナの意識に響いてきた。「こちらはアルベリク・ロマリウスだ。お前は誰だ?」という問いかけに、アレナは丁寧に自己紹介をした。「初めまして、私はアレナ・フェリダと申します。アレクサンドルからの依頼でお話ししています。これが私の能力です」
アレクサンドルは念話を通じて声を上げ、「アルベリク様、アレナは私たちの大切な仲間です。彼女の力が今後の私たちにとって重要な役割を果たしてくれるでしょう」と説明した。アルベリクは慎重にその言葉を聞きながらも、興味を持った様子だった。
続いて、アレクサンドルとマリアナは本題に入った。「アルベリク様、私たちは近日中に結婚式を行いたいと考えています。式はロマリウス家で行う予定です」とアレクサンドルが申し出た。マリアナも心を込めて、「私たちの結婚を祝福していただければ、これほど嬉しいことはありません」と付け加えた。
アルベリクは少し間を置いて、「少し急ぎすぎではないか?」とマリアナに問いかけた。その言葉には父としての心配がにじんでいた。マリアナは穏やかに答えた。「お父様、確かに急いでいるように思えるかもしれませんが、アレナの能力を用いれば、連絡の遅れや準備の効率化が可能になります。これも私たちの仲間がいるからこその利点です」
アルベリクはしばらく沈黙したが、最終的に納得したように頷いた。「なるほど、そういうことか。それなら理解した。お前たちがしっかりと計画しているのなら、結婚式の準備を進めるとしよう」
アレクサンドルとマリアナは、念話を通じてアルベリクに感謝の意を伝えた。「アルベリク様、アレナを雇用してくださり、ありがとうございます。彼女の力が私たちを支えてくれています」とアレクサンドルが言うと、マリアナも「私たちの結婚をこうして実現できるのも、父様と母様のおかげです」と心から感謝を述べた。
アルベリクは念話の向こうで穏やかな声を返し、「よし、これからもお前たちの幸せを祈っている。準備を進めるがいい」と許可を与えた。
こうして、アレクサンドルとマリアナは新たな一歩を踏み出し、結婚式の準備を本格的に進める決意を固めた。彼らは仲間たちの支えを受け、未来に向かって進む希望を胸に抱いていた。