新たな仲間との出会い
エリーナ・クレスウェルは、カストゥムの道場で黎明の翼のメンバーと対面することになった。姉リディアの失踪に心を痛めながらも、その意志を継ぐためにこの地へ来た彼女は、胸の奥で緊張が高まっているのを感じていた。
道場の広間に並んでいたのは、アレクサンドル・ヴァン・エルドリッチ、エリオット・ルカナム、そしてカリス・グレイフォークの3人。それぞれが黙ってエリーナの方に視線を向け、彼女の覚悟を見極めようとしているかのようだった。
アレクサンドルが一歩前に進み、静かな声で口を開いた。「エリーナ、ここに来た理由はわかっているが、簡単な道のりではない。君が何を覚悟しているのか、聞かせてほしい」
エリーナは少し身を引き締め、彼の言葉を正面から受け止めるように視線を上げた。「私は、姉の意志を継ぐためにここへ来ました。彼女の失踪の真相を追い求め、クレスウェル家の名誉を守るため、そして……誰よりも強くなるためです」
すると、エリオットが軽く笑みを浮かべながら、少し挑発的に尋ねた。「でも、力だけじゃこの道は乗り越えられない。リディアが私たちにとってただの剣士じゃなかったのは知ってるだろう?君にとって『強さ』とは何だと思う?」
エリーナは少し戸惑った。彼の言葉には、単に戦闘技術や力ではない何かが含まれているように感じたからだ。けれども彼女は、胸に宿る覚悟を込めて答えた。「強さとは、信じるものを守り抜く力だと思います。私は、リディアが守ろうとしたものを継ぎたい。そのために自分を磨き続け、どんな試練が来ようとも負けない強さを持ちたいんです」
カリスが無言で頷き、重い口を開いた。「覚悟は十分かもしれないが、言葉で言うほど簡単ではない。危険も後悔もつきまとう。それでも、戦いに身を投じる覚悟はあるのか?」
エリーナはカリスの鋭い眼差しを真っ直ぐに受け止め、力強く頷いた。「はい。どんな危険が待ち受けていようと、私にはやり遂げる理由があります。姉が示してくれた道を、私自身の意志で歩みます」
彼女の真剣な言葉に、アレクサンドルが微かに笑みを浮かべた。「エリーナ、よくわかった。君の決意は、確かに伝わったよ。これからは共に戦おう。黎明の翼の仲間として」
エリーナはその言葉に胸が熱くなるのを感じた。彼女は新たな仲間と共に歩み出すことを誓い、姉の意志を継ぎ、黎明の翼の一員としての覚悟を胸に刻んだ。