決意と告白の時
黎明の翼の打合せが終わり、参加者たちがそれぞれ思いを巡らせていた中、リュドミラがぽつりと条件を口にした。「エリオットとエリーナの件に決着がつくなら、私も黎明の翼に正式に加わるわ」突然の発言に、その場にいた多くのメンバーは困惑した。何のことかさっぱり分からなかったからだ。
エリーナは顔を赤らめながらもリュドミラと目を合わせた。理解しているのはリュドミラ、エリーナ、そしてマリアナだけ。エリオットを含むほかのメンバーは、まるで謎が解けるのを待つかのように、静かにその場を見守っていた。
マリアナはエリーナの背中を優しく押して、「観念しなさい。今がその時よ」と促します。エリーナは深呼吸をして、エリオットの方に向き直った。
「エリオット……」エリーナの声は震えていましたが、強く響きました。「ずっとあなたに思いを寄せてきました。でも、自分が勝手を言うことで皆に迷惑をかけるのが怖くて。だけど今、私は自分の気持ちに正直になりたい」
その言葉に、会場の空気が張り詰めたように感じられました。エリーナは続けてレオンとリディアの方に向き直り、「お兄様、お姉様、自分勝手で申し訳ないけれど、どうか私がこの気持ちを抱くことを許してほしい」と頭を下げました。
レオンは少し困惑した表情を浮かべましたが、リディアと目を合わせると、優しく微笑んで言いました。「両親に相談しないといけないけれど、私たちは応援したいと思っているよ」
エリオットはその様子をじっと見つめながら、しばらく沈黙していました。そして、静かに言いました。「エリーナ、君のことをこれまで妹のように思ってきたんだ。でも……」
アレクサンドルが口を挟みました。「エリオット、僕もマリアナを最初は妹のように思ってきた。でも、そろそろ覚悟を決める時が来たんだ」その言葉に、エリオットはハッとした表情を見せました。
一瞬の間があったあと、エリオットはエリーナをじっと見つめ、何か決意を込めたように頷きました。会場に漂っていた緊張が、少しずつ温かいものに変わっていくのを、みんなが感じ取っていました。