試練の中での成長と絆
カストゥムへの道を進むエリオット・ルカナム、エリーナ・クレスウェル、カリス・グレイフォークの3人は、アルカナの灯火から得た情報を胸に、月の信者たちが使う道を調査していた。森の中を進む道中、彼らは薄暗い古い石橋に差し掛かった。その橋は古代の遺跡の一部と見られ、魔法の痕跡が微かに感じられた。
「エリオット、ここは注意が必要だな」カリスが低い声で言い、見張りの体勢をとった。
エリオットは慎重に周囲を見渡しながら頷いた。「確かに、罠や残存する魔法に備えて進もう」
突然、橋の下から奇妙な音が響き、数体の魔法生物が姿を現した。彼らは護衛として仕込まれた石のゴーレムだった。エリオットが即座に魔法で応戦しようとしたが、数が多く押し寄せ、全員での連携が必要な状況になった。
エリーナは恐怖に駆られたが、自分が役に立つべき瞬間だと悟った。彼女はエリオットの指示を待たずに、以前学んだ防御魔法を唱え、仲間の周りに一瞬の結界を張った。これにより、エリオットとカリスは冷静に反撃の態勢を整えることができた。
「いいぞ、エリーナ!」カリスが感心した声で叫んだ。
エリオットは石のゴーレムに向かって魔法を放ちながら、「エリーナ、君の行動が僕たちを救っている!」と叫んだ。
エリーナはその言葉に勇気をもらい、恐怖を克服して次の魔法を準備した。3人は協力して次々とゴーレムを倒し、橋の向こう側にたどり着いた。敵がすべて倒れた後、静寂が戻った。
息を整えるエリーナに、エリオットがそっと近づいた。「君の成長はすごい。僕たちの力になってくれて本当にありがとう」
エリーナは顔を赤らめながらも、自信に満ちた笑みを浮かべて答えた。「これからも、もっと皆の役に立てるように頑張るわ」
その一言で、彼女の心の中に新たな決意が芽生えた。エリオットやカリスとの絆は一層強まり、エリーナは守られる存在ではなく、仲間を支える力を持つ一人として自覚を深めていった。